技術は大切にしてもいつかは腐る

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高橋社長はやっぱり責められるべきだ!:日経ビジネスオンライン

当時、他の白物家電メーカーの担当者に聞いた話が印象的だった。「技術的にはうちの方が上・・・」、「特別新しい技術というわけではないのに・・・」。要は負け惜しみである。そういえば、NECがスマートフォンから撤退する数年前に社長が「技術的にはすべての面でうちの商品の方がiPhoneより上回っている。これで負けるはずがない。」と言っていた。「日本のものづくりは技術の高さなのだから」という話を良く聞くが、実はそれが日本の家電メーカー(電機メーカーとは言っていない。)を弱体化させたのではないか。
 
話をシャープに戻そう。シャープは勢いに乗ると「おもろい」商品を次々に出す会社だ。「ヘルシオ・ホットクック(電気無水鍋)」、お茶の新しい飲み方を提案した「ヘルシオ・お茶プレッソ」、プラズマクラスター内蔵LED電球など、いまだに「目のつけどころ」の良さはキラリと光っている。しかもこれらの商品の共通点は、新技術の開発がメインではなく、既存の技術と技術の組み合わせの商品であるが、誰も思いつかないような組み合わせで新たな商品を生み出しているところにある。
 
これこそシャープの力、すなわち、0から新しいアイデアを実現する、商品構想開発力、商品企画力である。大学で技術経営の講義を行うときに、科学は法則であり普遍的なものであり陳腐化しないが、技術は応用であり陳腐化するものである、という話をしている。技術とはいくら抱え込んで大切にしてもいつかは腐るものである。

技術はあくまで手段でしかなく、目的(課題解決とか新しい魅力の提案とか)の方が大事だよね。