戦う前に負けている

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藤本健のDigital Audio Laboratory 第213回:ウォークマンA用ソフト「CONNECT Player」をテスト

ところで、ソニーサイトでCONNECT PlayerのFAQを見てみると、さらに納得のいかない事実も見えてきた。先ほどATRAC Advanced Losslessに非対応ということは述べたが、それ以外にもSonicStage 3.3にできて、CONNECT Playerにできないことがいろいろある。主だったところを列挙すると、「CD-TEXT 情報の読み込み」、「著作権保護されている WMAファイルの取り込みや再生」、「Aシリーズ以外のウォークマンへの転送」、「アルバムに対するジャケット画像を登録」など。
 
そして極めつけは、CONNECT Playerにデータのバックアップ機能がないこと。Moraで買った楽曲などはSonicStageのバックアップ機能を利用せよと書かれているのだ。Windows Media Playerでは、現状ではまともなバックアップ機能すら無いので、バックアップできるだけマシともいえるが、CONNECT Playerを利用するのにSonicStageも入れておけというのはいかがなものだろうか?

Aシリーズが、発表から発売まで2ヶ月もかかったのは、やはりCONNECT Playerの開発の遅れが原因なんですね。

もう言い尽くされてますが、現在のSONYの抱える大きな問題の一つは、ソフトウェア開発なんでしょうね。 メモリースティックPROのOpenMG対応にあれだけ時間が掛かったのも、高速転送対応で非互換性が発生したのも、同じような理由だろうと思います。

純粋にハードウェア性能だけ考えれば、iPodに匹敵するものを作るのは難しくないんでしょうが、デジタル家電はソフトウェア勝負です。 優秀なソフトウェア開発者もいるんでしょうが、エース級はSCEや「スゴ録」方面に取られちゃっているのかな?

中鉢社長は「エレクトロニクスへの回帰」を打ち出してますが、旧来のように独自デバイスの強化だけではダメで、同じくらいソフトウェアにも力を入れないとね。