インサイトの目標は「カーナビ込みで200万円以下」だった

【グランプリ】ホンダ「インサイト」 - ATI2009 - Tech-On!

189万円じゃなくて200万円以下です。間違いじゃありません。目標はもともと「カーナビ込みで200万円以下」だったんです。今、カーナビを付けると200万円を超えてしまいますから、もっと厳しかった。
 
安いカーナビを使いたかったんですけどね、使えないんですよ。インサイトは「フィット」ベースのクルマだから、フィットのカーナビでいいだろうと。ところがね、これではCAN(コントローラ・エリア・ネットワーク)通信ができない。「エコアシスト」という機能を付けまして、そことデータのやりとりをしたいので、CANがなくては困る。じゃ、「シビック」のカーナビを持ってこようかと。すると25万円になっちゃうんですよ。大幅オーバーです。

関LPLは数え切れないくらいのインタビューを受けていると思いますが、まだまだ話のネタはありそうですね。

続きます。

ハイブリッドシステムのコストを下げられたのは、10・15モード燃費にこだわらなかったからでしょうね。モード燃費は30.0km/L。これは切りの良いマジックナンバーなんで、これ以上は追求しない。そこを固定し、改善分を全部コストダウンに回したんです。(中略)
 
ライトは4灯です。このクラスで4灯は本当はあり得ないんです。2灯の設計で持って行ったら、上から「こんな商用車みたいなのもの造るんじゃない」と怒られました。そこで4灯、しかもプロジェクションを奮発しました。4灯にすると、2灯より上下の寸法が薄くなりますよね。ウインカーを中に組み込めなくなるので、独立して下に付ける。すると、バンパに切り欠きが必要になる。連鎖反応的にコストが上がってくるので、普通はやらないものなんです。
 
後ろのランプもぜいたくです。まずLEDにした段階でコストが高い。しかも左右に大きく回り込んだ形状です。普通は平たい基板にLEDを並べるんですが、このクルマのLED基板は外側に行くにつれて奥まっていく。3次元的に折り曲げた、ややこしい基板を作りました。

つまりもっとコストダウンの余地はある、と。
フィットHVを作るだけなら、150万円台は難しくないってことでしょうね。