それでも鼻水は垂れる

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花粉症も地球温暖化も「ムダな抵抗はしない」が正しい:日経ビジネスオンライン

福岡:花粉症を例にあげますと、花粉が侵入したときに出るヒスタミンという情報伝達物質を遮断すれば、鼻水やくしゃみは軽減できます。これは生命の流れを止めて見たときに得られる因果関係の思考です。
 
そこで作られたのが抗ヒスタミン剤です。服用すると薬の成分が先回りしてヒスタミンレセプターをブロックします。花粉が来たときにヒスタミンが出ても、ヒスタミンレセプターにくっつけない。だから抗ヒスタミン剤を飲めば、花粉症の諸症状は緩和されます。
 
ただし、その効果は“その場に限って和らぐ”というものです。
 
問題は、生命は動的平衡であるため、それでは済まないということです。人の身体は、ヒスタミンを出しても受け取る細胞が反応しないからもっとヒスタミンを出す。一方、受け手の細胞もより多くのヒスタミンレセプターをつくるようになる。つまり、抗ヒスタミン剤を飲み続けると、より過激な花粉症になるというわけです。

私が飲んでるアレグラも、抗ヒスタミン剤です。
そうはいっても、くしゃみは出るし鼻水も止まらないしで、ティッシュペーパーの消費量はものすごいことになるワケで、「ムダな抵抗」だろうが薬を飲むしかないのです。 事情が許せば、スギ花粉のない地域へ移住できるのでしょうが。

なんだか、「安易な救済を求めてはいけない」というと、宗教的なお話につながりそうですね。

私の趣味はスキーですが、大人になってから始めたのでうまくはありません。こんな経験があります。スキースクールのインストラクターは、滑る様子を見せて、「同じようにしてください」といった調子で教えます。たぶん、子どものころからスキーに親しんでいるので、上達のプロセスを覚えていないし、それをうまく言葉にできないように思えます。
 
私は苦労して上達したから、その分、まったくの初心者に教えるなら、インストラクターよりうまいかもしれない。
 
つまり、何かを伝えるということは、そのプロセスの理解を伝えることなのだと思います。

これは確かにそうですね。 だから人にものを教えるのは難しい。

実際のところ、地球全体の原子の総量は一定で、太陽のエネルギーによって循環させられているだけです。だから私を構成している分子は、次の瞬間に私から出ていって、ミミズや海の藻屑や岩石、無生物の一部になっているかもしれない。
 
もし時間軸を一億年レベルにとって、私を観察したら、分子が集まって、また雲散霧消するというような、固体ではなくガスみたいなものとしか見えないでしょう。それぞれの生命は、分子の“淀み”と“流れ”でしかない。
 
だから「環境に優しい」とは、絶滅しそうな生物を何としても救うこと、ではありません。

「輪廻転生」とはそういう意味かもしれませんよ。
「環境に優しい」というのは、あくまで「(人間にとって都合の良い)環境に優しい」ということですから。

ミツバチが減ったと大騒ぎになってますが、あれは受粉やハチミツ採集に有用だからで、人間にとって何の役にも立たなければ単なる害虫で、誰も気にしないでしょう。