「反社」名指しの房氏、欧米の基準では「クリエーティブな銀行家」

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富士通お家騒動渦中の房氏、毀誉褒貶の銀行家キャリア(ウォール・ストリート・ジャーナル) - Yahoo!ニュース

富士通と同社の野副州旦元社長が繰り広げる奇妙なお家騒動の中心に位置する銀行家、房広治氏(50)は輝かしい経歴を持つ。早稲田大学とオックスフォード大学を卒業し、UBS(日本)でM&A責任者として目を見張る業績を残した。
 
富士通幹部に反社会的勢力とのつながりが疑われるとされた房氏は、異色の人物だ。投資銀行時代、房氏は他の銀行家が敬遠するようなアグレッシブな取引を追及し、後に不祥事で告発された消費者金融大手の創業者と関係を築き上げた。
 
(中略)
 
房氏はロンドンのブティックバンク2行でキャリアをスタートさせた。90年に日本でUBSの前身ウォーバーグに入社し、その後、M&A部門の責任者になった。
 
房氏の元同僚は匿名を条件に、日本ではまだ珍しく、タブー視されていた敵対的買収を含む積極的な取引を同氏は提案し、顧客をしばしば驚かせていた、と述べた。欧米の基準でみれば、クリエーティブな銀行家だったという。「私の考えでは、疑わしいことは何もしていない」と房氏は述べている。
 
UBSは97年、房氏の貢献により、株式引受業務で国内首位(トムソン・ロイター調べ)に躍り出た。外資系金融機関が野村ホールディングスや大和証券を抑えてトップに立つのは初のことだった。最高の業績は、武富士株の売り出し(調達額880億円)だった。
 
UBSとクレディ・スイス・ファースト・ボストン(当時)の元同僚で、現在はテクノロジー会社サイバード・ホールディングスで最高執行責任者(COO)を務める永守秀章氏は、房氏は競合他社に対して先手を打ち、従来の序列を逆転させた、と述べた。売り出された武富士株の一部は、創業者の武井保雄氏が保有していたものだった。(中略)
 
社債と株式を継続的に発行する武富士は、投資銀行にとって金脈だった。房氏は、武富士を顧客に抱え武井氏に接近した。武井氏は社内で房氏を独占し、武富士の他の幹部に対し、房氏との会話を許さなかったという。(中略)
 
房氏は「当時は誰もが武富士との取引を望んでいた。投資銀行員と上級顧客の典型的な関係だった」と述べた。

今回の騒動でわかるように、企業統治が機能していない富士通の方が、よっぽどレビュテーション・リスクがあるような気がしますね。