福島第一原発2号機 水注入ポンプ燃料切れ見逃しで燃料棒露出

燃料棒露出、水注入ポンプ燃料切れ見逃しか : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

福島第一原発2号機で原子炉の燃料棒が完全露出し、一時的にせよ「空だき」状態となった原因について、14日午後9時すぎに記者会見した枝野官房長官は、「水を注入して冷却する作業に入っていたが、一時、(注入用の)ポンプの燃料不足で、想定より時間がかかった」と説明。
 
初歩的な作業ミスによって重大な事態を引き起こした可能性を示唆した。
 
東電などによると、2号機では当時、港から直接、海水を取水し、ポンプで原子炉内へ送り込んでいた。1、3号機でも同様の注水作業を行っており、作業員が1、3号機用のポンプの見回り後に、2号機用のポンプを確認した際、燃料切れで停止しているのを見つけたという。
 
ある東電幹部は「想定外の大地震による作業員の不足と、深刻な事故が重なったことで、原発の『命綱』である注水ポンプから目を離す事態が生じてしまった」と漏らした。

現場の方々は、ギリギリの状況下で頑張ってくださっており、我々は祈りつつ眺めるしかできないのですが、一方で重大な懸念も持っています。

注入した海水は、原子炉内を満たせばそれでおしまいという訳ではないはずです。
制御棒によりほとんど核反応は止まっているとはいえ、燃料棒はまだ発熱しています。 ですから放っておけば、満たした海水は沸騰してくるでしょう。

そこで海水を循環させて、つねに冷たい海水が満たされるようにしないといけないのですが、それには暖まった海水を捨てなければなりません。

どこへ捨てるかというと、海に戻すことになります。

溶解した燃料棒に直接接した海水を、です。

当然、かなりの放射性物質を含んでいるはすです。

放射線なんてのは一過性のものですが、放射性物質はそれが崩壊して同位体になるまで、放射線を発し続けます。
海に対する濃度からすればたとえ微量でも、放射性物質はそれを摂取した生物の体内で濃縮されるので、食物連鎖の頂点にある人間が食べる頃には、かなりの濃度になります。


今はチェルノブイリの二の舞を避けるのに必死ですが、いずれ海の放射能汚染はかなり深刻な問題になるような気がします。