検査停止中なのになぜ爆発?

検査停止中なのに4号機なぜ爆発 5・6号機も「温度上昇中」の深刻 : J-CASTニュース

ショックなのは、3月14日までの「福島第1原発危機」報道の中では、ほとんど表に出てきていなかった、地震発生時には検査のため停止中だった4号機で深刻な事態が起きたことだ。
   
すでに水素爆発で建屋上部が吹き飛んだ1号機と3号機、15日早朝に大きな爆発で圧力抑制室が損傷したとみられる2号機は、いずれも地震発生時に稼働中で、自動停止後も高い熱をもった燃料棒をいかに冷やすかという問題を抱えていた。(中略)
 
しかし、電力確保の問題が影響を与えたのは、地震時稼働中の1~3号機だけではなかった。検査停止中の4号機では、建屋5階にある水を循環させたプールで原子炉から取りだした使用済み核燃料を冷やしていた。しかし、地震後電力供給に問題が生じて水を循環できなくなっていた。このため、蒸発により水が減り、使用済核燃料の上部が水面から出て、水素が発生し、爆発につながった可能性が考えられている。直前まで稼働中だった燃料棒に比べ、もっている熱ははるかに小さいはずだが問題は起きた。

ほんとにね。 淡い希望は打ち砕かれました。

それにしても、なんで使用済核燃料プールがあんな場所にあるんでしょうかね? 仮置きは仕方ないと思うんですが、置きっぱなしのように思えます。

さらに4号機のような、使用済核燃料プールでの事故が深刻なのは、1~3号機の場合のように問題となる燃料棒が圧力容器、さらには格納容器と2重に防御されている、という状態ではないことだ。基本的には使用済核燃料プールは、一番外側の覆いである建屋だけに守られているといっても良い形だ。そして4号機はその建屋の屋根付近が損傷している。

また、1~3号機にも使用済み核燃料は保管されており、読売新聞の夕刊(3月15日付)によると、約300~500体あるという。事態の推移によっては、1~3号機でも同じ事態が発生する可能性もある。

早く取り出して、安全な場所へ移動させる必要があるんじゃないかと思います。

福島第1原発事故 2号機の危険回避、注水頼み 放射線増で作業困難 - 毎日jp(毎日新聞)

住田健二・大阪大名誉教授(原子炉工学)は「あと1~2日も注水すれば、燃料棒からの発熱も減り条件が改善される。これ以上の燃料溶解を防ぎ、高い放射線レベルの核分裂生成物も出なくなる。事業者が責任を持って取り組むべきだ」と話す。

そう願いたいものです。


「ノストラダムスの大預言」は当りませんでしたが、広瀬隆氏の予言は現実のものとなってしまいましたね。

破局は避けられるか――福島原発事故の真相 ジャーナリスト 広瀬隆|DOL特別レポート|ダイヤモンド・オンライン

昨年のことから理解しておくべきである。昨年3月25日に、1971年3月26日に運転を開始した福島第一原発1号機について、東京電力は、この原発が40年を迎えるというのに、超老朽化原発の運転続行という暴挙を発表し、60年運転も可能だと暴言を吐いて、原子力安全・保安院がそれを認めた。これは福井県の敦賀原発・美浜原発に続く、きわめて危険な判断であった。さらに昨年10月26日、営業運転開始から34年が経過した老朽化原発・福島第一原発3号機でプルトニウム燃料を使った危険なプルサーマル営業運転に入った。
 
福島第一原発は設計用限界地震が、日本の原発で最も低い270ガルで建設された、最も耐震性のない原発である。そこで今、炉心熔融が起こったのだ。福島県内には、70キロを超える双葉断層が横たわり、マグニチュード7.9が予測される。(中略)
 
地震発生後、原発は「止める」「冷やす」「閉じ込める」機能があるので大丈夫だと宣伝してきたが、ほかの原発も含めて、自動停止した11基の原子炉のうち、原子炉内の温度が100℃以下で、圧力も大気圧に近い状態で安定した「冷温停止」に至っているのは、地震4日目の14日現在、福島第二原発3号機と女川原発1・3号機の3基だけであり、残り8基が迷走運転中である。
 
電気出力100万kW原子炉では、熱出力がその3倍の330万kWある。この原子炉では、原子炉自動停止しても、その後に核分裂生成物が出し続ける崩壊熱は、1日後にも、1万5560kWもある。またその発熱量がどれほど小さくなっても、永遠に熱を出し続けるので、燃料棒が原子炉にある限り、それを除去し続けなければならない。なぜなら、原子炉という閉じ込められた容器内では、熱がどんどんたまってゆくからである。
 
それを除去できなければ、水は100℃で沸騰するから、水がなくなり、燃料棒がむき出しになる。そうなれば、超危険な放射性物質が溶け出し、燃料棒の集合体が溶け落ちる。それが炉心熔融であり、メルトダウンと呼ばれる。燃料棒の集合体が次々に溶け落ちると、炉の底にたまって、ますます高温になり、灼熱状態になる。やがて原子炉圧力容器の鋼鉄を溶かし、お釜の底が抜けると、すべての放射性物質が、外に出て行く。これが「チャイナ・シンドローム」と呼ばれる現象である。
 
一方、燃料棒被覆管のジルコニウムが水と反応して酸化されるので、水素ガスを発生する。水素ガスの爆発限界は、最小値が4.2%であるから、この濃度になれば爆発する。
 
原子炉の正常な運転条件は、福島原発のような沸騰水型では、280~290℃、70気圧である。従来は燃料棒の過熱温度が2800℃で炉心溶融が起こるとされていたが、スリーマイル島原発事故などの解析によって、実際には600℃で起こることが明らかになった(2009年7月6日~7日にNHK・ BS1で放映されたフランス製ドキュメント「核の警鐘~問われる原発の安全性」)。

そうか。 放射性物質の崩壊熱なんだから、同位体になるまで熱は出る訳ですね。 数日冷やしてどうなるというものではなさそうです。

さらに2号機では、格納容器の破損が起こり、4号機では建屋内の使用済み核燃料のプールが沸騰を始めたという。ここには、原子炉より多くの放射性物質が入っている。作業者が近づけない場所であるから処理はおそらく不能であろうと、15日の午後5時時点で、私は推測するが、この推測が間違ってくれるよう祈っている。福島第一原発の6基のうち、1基がメルトダウンすれば、そこには職員がいられなくなる。すべてを放棄して逃げ出すだろう。あとは連鎖的に事故が起こる。
 
この発電所には、全部合わせて、事故を起こしたチェルノブイリ原発の10倍を超える放射能があると思われる。

どうやら本当に祈るしかなさそうです。