トヨタ自動車、2011年3月期は1ドル90円、700万台で利益

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【決算】トヨタ自動車、2011年3月期は営業利益が3207億円増加 - クルマ - Tech-On!

トヨタ自動車は2011年5月11日、2011年3月期の決算を発表した。それによると、売上高は18兆9936億円で純利益は4081億円。2010年3月期に比べて増収増益となり、営業利益は3207億円、純利益は1987億円増加した。
 
連結販売台数は730万8000台であり、前期より7万1000台増えた。地域別では、日欧米が減ったの対し、アジア、その他(中南米、オセアニア、アフリカ、中近東など)が好調で前年を上回った。特にアジアはインドの「Etios」、タイのIMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle)の販売が増え、過去最高の台数となる125万5000台を記録した。国内では東日本大震災の影響で販売台数が17万台減ったとみており、さらに原価低減の不足や諸経費の削減不足もあったため営業利益が1100億円減少した。
 
決算発表に出席したトヨタ自動車社長の豊田章男氏は、「2009年3月期は赤字で損益分岐点の販売台数は800万台を超えていた。これが2010年3月期には1ドル90円、700万台で利益が出せるようになった。2011年3月期は為替レートが1ドル85円、660万台を損益分岐点にでき、750万台の販売でも営業利益率5%を達成するというグローバルビジョンで掲げた目標に近づいた」と述べた。

これが好決算と言えるレベルかというと、全然ですよね。

トヨタ単独決算…為替差損で営業赤字4809億円|GAZOO.com

トヨタ自動車が発表した2011年3月期の単独決算は、営業損益が4809億円の赤字となり、前年同期の3280億円の赤字から赤字幅が拡大した。
 
売上高は、前年同期比4.1%減の8兆2428億円と減収となった。トヨタ、レクサスの国内生産台数が同6.4%減の300万4000台と低迷した。国内向けが不振だったほか、輸出も北米向けが低調だった。海外生産台数は同6.6%増の433万8000台だった。
 
損益では、営業面の努力や原価低減などの増益効果があったものの、為替差損3300億円が影響し、営業赤字幅が拡大した。
 
経常損益は4701億円の赤字だった。当期損益は同101.5%増の527億円と大幅増益となった。

単独はしょうがないと思いますけどね。 ホンダだって赤字ですし。

トヨタ伊地知専務「単独黒字化のめど来年の決算発表で示す」|GAZOO.com

伊地知専務は「原価改善と営業面での努力で毎年2500億円位の稼ぎはできる」とした上で、「今の円高レベルであれば、来年の決算発表の時にはめどを付け、だいたいこのような時期に黒字になりそうだ、と是非申し上げたい。その自信はある」と述べた。
 
黒字化に向けた方策としては「地域によってできるところはしっかり値上げをしてマージンを膨らます。また固定費で伸びているのが無償修理費で、ここが下がれば相当風景が変わってくると思う。従って(国内生産能力の)320万台をもっと減らすということは考えていない。黒字化のためにもある程度は台数が必要で、日本でのものづくりを守るという観点からも、この程度の生産は今後もやっていく」とした。

毎年2500億円なら2年で黒字化ということかな。 でも2年後にどんな環境になっているかは読めないね。

その今後ですが、

トヨタの営業利益、予想大幅に下回る:識者こうみる | Reuters

<かざか証券 市場調査部長 田部井 美彦氏>
 
トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)が他社と比べて生産の回復を早くみているが、なぜ、早くできるのかというところを会社側の説明を聞きたい。製品変更を急に行うのは難しいはずだ。
 
「プリウス」にとってかわる車はないので、すぐにシェアが落ちるとはみていないが、「カローラ」のような量販車はライバルにシェアを取られる可能性がある。それは日産自動車(7201.T: 株価, ニュース, レポート)やホンダ(7267.T: 株価, ニュース, レポート)もそうだが、トヨタにおいて一番色濃くでるのではないか。通常ならば、在庫が多いときにインセンティブをつけて売るものだが、今は、在庫がないので、客を引き留めるために車を販売する前にインセンティブをつけていて、それが収益的に機会ロスとインセンティブ費用というダブルパンチになっている。(中略)
 
<アドバンスト・リサーチ・ジャパン 自動車担当アナリスト 遠藤 功治氏>
 
今期見通しは公表しなかったが、前期の内容をみても数字以上に収益状況が悪いことがわかる。2011年3月期連結営業利益は4682億円だったが、内訳は金融事業の3582億円に対し自動車事業は860億円にすぎない。自動車事業の売上高17兆3373億円に対し極めて小さな利益であり、第3─4四半期は赤字だ。東日本大震災の影響は前3月期の終わりに出たが、今期は影響がフルに出る。生産本格化が多少前倒しされても、少なくとも上期の影響は避けられない。
 
前期で原価改善の効果が1800億円とかなり小さくなっているほか、自動車販売の車種ミックスの悪さや、円高の影響が出ているとみられる。これらの状況は今期も続く可能性があるうえ、国内の生産能力が高すぎて実際の稼働率が7割程度と低いという構造的な問題を抱えたままだ。
 
前期の単独営業損益(日本基準)は4809億円の赤字だったが、今期は1兆円レベルの赤字に膨らむ可能性もあろう。

という訳で、復活への道はまだまだ険しそうです。