ルネサス 茨城・那珂工場の再開、6月1日に前倒し

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ルネサスエレ 茨城・那珂工場の再開、6月1日に前倒し :日刊工業新聞

ルネサスエレクトロニクスは11日、主力拠点の那珂工場(茨城県ひたちなか市)の200ミリメートルラインの稼働を6月1日に前倒しして再開すると発表した。これまでは6月15日を予定していた。300ミリメートルラインも従来の予定を約1カ月前倒しし、6月6日に操業を始める。ルネサス全体の生産量も10月末までに震災前の状態とほぼ同水準になる見通しだ。
 
200ミリメートルラインは生産能力の約1割にあたる月3000枚から生産を再開する。生産再開後の製品の供給は8月末以降順次、始まる見通し。同ラインは自動車用エンジン向けマイコンを生産しており、部品不足の矢面に立たされていた。

逆に言うと、8月までは生産再開後の製品は出てこないということです。
シリコンインゴットを投入してから実際にパッケージが出荷されるまで、2ヶ月くらい掛かりますからね。

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震災の直接的な被害が大きかったのが、最先端の生産設備を保有する那珂工場(茨城県)。さらに高崎工場(群馬県)、甲府工場(山梨県)は、計画停電の影響で生産を再開できていない。後述する「前工程」の生産能力の実に4割が失われている。
 
なぜ停電が死活問題となるのか。半導体の製造工程は大きく「前工程」と「後工程」に分かれる。前工程では、シリコン基板(ウエハ)に薄い膜を貼り(蒸着させ)、そこに回路を焼き付けて集積回路をつくり込む。この膜を蒸着させる過程は化学反応なので、途中で停電になれば、すべてがおしゃかになる。しかも反応過程は3時間以上かかるため、組み立てラインのように、「3時間だけ止めましょう」というわけにはいかないのである。また前工程では薄膜の形成などで不純物を取り除くため、超真空状態を要する過程が多い。真空ポンプで超真空状態をつくり出すには24時間かかる。途中で停電になれば超真空状態がつくれず生産ができない。

各自動車メーカーなどからの復旧支援も、5月半ばで終了するようですし、あとはルネサス自身に頑張ってもらわないとね。