男性はずっと17歳で「スタンド・バイ・ミー」?:日経ビジネスオンライン

岡:野球のピッチャーなんかも、決め球自体はもう17歳でだいたい出揃う。17歳のときのストレートやスライダーが基本で、ちょっと外角に外す技を覚えたりとか、同じ握りでチェンジアップが投げられるようになったりとか、後は応用のテクニックを身に付けてプロになるわけで、それができないやつはプロになれない。だから12歳ぐらいから17歳ですね。
 
―― たった数年。
 
岡:たった数年なんですよ。だって、その前はまるきり子供じゃないですか。
 
小田嶋:その中学校の3年間ぐらいがね、何していたんだろうなというぐらい、暗かったね。
 
岡:僕も、もう完全に暗かった。生涯で一番暗かった。しかも僕は教師に嫌われていたから。
 
小田嶋:お前はジャイアンからスネ夫になった時期だろう。 
 
岡:そう、スネ夫期(笑)。友達もいなかったですからね。
 
―― 何でですか?
 
岡:まず僕がいけないんだけど、俺はこんなところにいる人間じゃないんだ、と思っていた。
 
―― うわ。
 
岡:それが伝わっちゃうんだろうね。
 
―― 今のひと言でひしと伝わりました。

すっごいよく分かるなぁ。

自分の場合は「俺はこんなところにいる人間じゃない」じゃなくて、「たまたま居合わせただけで、オレはアンタたちとは関係がない」という感じでしたけどね。

小田嶋:あるいは女の人は大人になっても友達ができるのか・・・できる感じがしますよね、これはいろいろと。
 
―― できます。
 
小田嶋:そうだよ、女の人ってすごくフレンドリーでしょう。新しい主婦友達でも何でも、いろんなところで結構仲良くなって、交流があるじゃない。でも男って、30歳を過ぎて知り合ったやつと打ち解けられるかっていうと、それは絶対だめだ。
 
岡:マージャンのメンツとか、ゴルフとか、ルール上、4人埋めなきゃ、みたいなときだけだよね。
 
小田嶋:若いころの友達って、素晴らしい人間じゃなくても、若いときに知り合いだというだけで掛け替えのないところがあるのよ。別に岡のことを言うわけじゃないけど。
 
岡:俺だって小田嶋のことを、そうだとは言ってはないさ。
 
小田嶋:考えてみればあいつも変なやつだよな、とか、これといって取りえのないやつだよな、という友達って、振り返ればずっと昔にいて、そういうやつでも会うと懐かしい。
 
岡:俺のことじゃないよな。

嫁なんかは、知り合いの知り合いで友達になって、よく一緒に食事に行ったりしています。 男だとそういうのはあまりないかもね。

―― 12~17歳の友達が掛け替えのないということは、ほかの皆さんもそうですか。
 
男性陣:(全員でうんうん、とうなずき始める)
 
編集Y:いや、僕は全然違います。
 
岡・小田嶋:えっ?
 
―― おっ。
 
編集Y:僕は今の方が全然楽しいっ(1人だけ明るく軽やか)。
 
注・編集Yのプロフィール。新潟県出身。47歳。高校から浪人時代までを新潟で過ごし、大学入学で上京。以後、大学卒業、そして就職を経て現在にいたるまで、若干オタクを取り入れながら、楽しく東京在住中。
 
編集Y:僕はもう、ぜっんぶ、新潟に捨ててきましたから。
 
岡・小田嶋:(思わぬ伏兵に言葉を失う)

自分も就職・上京を機に、全部置いてきた方ですね。
まあ、どこに行ってもアウトサイダーであるという感覚は無くならないので、これは一生続くんでしょうね。