家庭の電力消費は2年前より15~16%減っている

政府案は技術進歩を過小評価 家庭の電気代はむしろ減少する ――三菱総合研究所 小宮山宏理事長に聞く|どうする!日本のエネルギー|ダイヤモンド・オンライン

政府の原案では、2010年の発電電力量が約1.1兆kWh。それが30年には1兆kWhになるという予測です。しかし、実際には今年で0.95兆kWhくらいになる。去年は、東京電力管内を中心にして法的拘束力のある需要規制をやりましたが、今年は規制をやっていない。そうすると10年並みの電力需要に戻ってもおかしくないわけですが、去年と今年はほとんど同じ。一つにはみんな節電努力をやめていないということもあるが、もう一つはエコ家電が売れたり、ビルなども建て替わっていて、エネルギー効率が上がっている面も小さくないと思います。(中略)
 
ざっと計算すると、現在、家庭では10年と比べて15~16%電力消費が減っているんですが、15%のうちの5%~6%はエネルギー効率の上昇が寄与していると思います。全国の電力消費の約3分の2を占める東電、関電管内から、節電が全国に拡がっていくだろうし、エネルギー効率が上がれば0.95兆kWhがさらに減っていくでしょう。(中略)
 
――LCSでは、電力需要はどのようになると予想しているのでしょうか。
 
我々は30年で、電力需要は約0.8兆kWhと予測しています。これは極めて重要なことで、例えば、政府の原案では、原発比率15%シナリオで、再生可能エネルギーを30%、火力を55%としています。そのためには10年時点で約10%(約0.1兆kWh)だった再生可能エネルギーを0.3兆kWhに、0.2兆kWh増やさなくてはいけない。しかし、電力需要が0.8兆kWhなら30%で約0.24兆kWhだから、0.14兆kWh増やせばいいということになり、その差は莫大です。
 
逆に、政府の予測1兆kWhの30%、55%、つまり、再生可能エネルギーを0.3兆kWh、火力を0.55兆kWhにするとすれば、それだけで全需要の0.8兆kWhを越えますから、原子力はゼロでよいということになります。

道路や利水などインフラの計画で、ずっと右肩上がりに需要が増えることを前提にやってきたので、そういう思想から抜け出せないんでしょうね。

我が家でも、先日エアコンを更新しましたが、来月には冷蔵庫の買い替えも予定されています。

――しかし、技術進歩には不確実性が伴うから、予測には織り込みにくいということにはなりませんか。
 
技術の効果を予測モデルに組み込むということについて、少し説明しましょう。例えば、この25年間で日本の冷蔵庫の消費電力は80%減り、エアコンは60%減っている。この二つが、家庭の最大の電力消費の項目です。今から18年後の30年時点で考えた時に、現在使われている冷蔵庫も、エアコンもほとんど残ってないでしょう。その時点の製品に自然と買い替えられている。これは家庭にとっては、新たなコストの負担でも何でもない。
 
今後の技術進歩を織り込まなくても、冷蔵庫やエアコンの更新期が来て買い替えられるだけで、電力消費が4割~5割減るわけです。そうするとポイントは家庭の電気代です。いま家庭の月々の平均の電気代は8500円くらいですが、政府原案の4機関はこれが1万4000円から2万円に増えると予測している。おそらく、家庭の電力消費がほとんど減らないで、電気代の上昇分がもろにきいてくると予測しているからです。我々の予測では家庭の消費電力が減るので、キロワット当たりの電気代が上がっても、月々の電気代は4500円程度に減ります。(中略)
 
例えば、私の家は断熱や太陽電池で約8割エネルギー消費を減らしました。三菱総研の例はお話しした通りです。輸送についても、いま日本で売れている自動車のトップ10は、ほとんどがリッター20km以上走る。これでわかるように、エネルギー問題でいちばん大事なことは、エネルギー効率を上げる技術革新。ただ、すでに述べたように現在使用されているストックベースの家電製品や自動車そして家やビルも10年、20年、50年と経てば、ほとんどすべてが入れ替わる。それを考えただけでも効率が上がるので、2030年のエネルギー消費レベルが政府案のように高いと考えるのは非常識です。

エコウィル導入により、すでに毎月の消費電力は3割程度下がっていますが、さらにどれだけ下がるのか楽しみです。

家庭の電力消費、7月は初の2ケタ減 気温低く節電も浸透  :日本経済新聞

電気事業連合会は20日、7月の電力需要実績(速報、10社合計)を発表した。家庭向けの需要は前年同月比12.4%減の194億キロワット時。7月としては1972年に電力10社体制になって以来最大の減少率で、初めて2ケタのマイナスとなった。検針期間中の気温が昨年より低く冷房需要が減少したほか、節電の浸透が需要を押し下げた。
 
家庭向け需要の減少は3カ月ぶり。7月の減少率でこれまで最大だったのは、前年の猛暑による冷房需要増の反動が出た2002年の7.3%だった。
 
7月の全体の需要は6.3%減の685億キロワット時で、2カ月連続のマイナス。全体の減少率も09年7月の6.4%に続く過去2番目となる。オフィスや商業施設など業務用の需要は3.2%減の164億キロワット時。5カ月ぶりに前年実績を割り込み、現行の集計区分となった05年以降で7月として最低の販売電力量だった。
 
工場向けの「産業用大口電力」の需要は1.8%減の237億キロワット時となり、2カ月連続で減少した。

7月ってそんなに涼しかったっけ?


朝日新聞デジタル:原発なくても夏乗り切れた? 電力、ピーク時でも余裕

電力不足かどうかは、暑い日の昼過ぎのピーク時の電力が足りているかどうかが最も重要だ。政府が原発再稼働が必要だという理由の一つには、このピーク電力が不足して突然の停電になることへの不安がある。
 
しかし、節電が進んだため、大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を再稼働させた関電以外では、8月20日まではピーク時も電力供給を上回るほど使われたことがなく、電力は5%以上の余裕がある。今週も気温30度を超える猛暑が予想されるが、東電などは一部の火力発電を止めておくほど足りている。
 
気象庁によると、この夏は晴れて暑くなる日が多かった。7月の平均気温は北日本と東日本が平年より0.8度、西日本が0.6度高かった。高温の傾向は8月も東日本や西日本を中心に続いている。

昨年よりは涼しいけど、平年よりは暑い7月だったということです。