固定観念で「あるものをないという」のはイデオロギー

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歴史は本当に終わったのか フランシス・フクヤマ氏  :日本経済新聞

――格差問題ではフランスの経済学者トマ・ピケティ氏の著書「21世紀の資本」が話題になっています。
 
「格差の原因は同氏がいう資本そのものの特性というより、技術革新やグローバル化だと思う。ただ、格差問題への注目が世界中で高まっている表れではある。オバマ大統領が5、6年前に再配分の重要性を説いたときは社会主義者と批判されたが、今日では格差問題の存在を否定できない」
 
――保守派の論客なのに格差問題を正面から語るとは珍しいですね。
 
「固定観念で世の中をみてあるものをないというのはまさにイデオロギーだ」(中略)
 
――北欧の国々を評価していますね。
 
「北欧が優れているのは再分配の水準が高いからでない。腐敗が少なく効率よく運営されている質の高い政府がある点が重要だ」
 
「評価の基準になるのは国民全体の利益に沿って偏りなく公的サービスを提供する政治制度が存在するか否か。ここでは3つの要素が必要になる。第1に権力を持ち、使う能力がある国家、第2は国を律して運営するルール、第3が民主的な説明責任だ。10年先、15年先をにらみ持続性の高い予算を毎年きちんと策定できるかどうかは政府の質の指標となる。この基準では米国にはよい政府がない」

日本も落第ですね。 特に3番目の評価基準が。

読んでみたいけど上下巻合わせて大著です。 フランス革命以後の続編の方が面白そうかな?

政治の起源 上 人類以前からフランス革命まで
フランシス・フクヤマ
講談社
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