家庭用蓄電池の損益分岐点を考える

太陽光発電などと比べて今ひとつ効果がわかりづらい家庭用蓄電池。
その損益分岐点を考えてみました。

まず前提条件です。 これは我が家の場合で、それぞれのご家庭で異なると思います。

夜得プランの昼間・第1段階料金 24.03円/kWh
夜得プランの夜間料金 12.48円/kWh
太陽光発電(ダブル発電)売電単価 31円/kWh

蓄電池はそれ自体が発電する訳ではないので、充電が必要です。 何の電力で充電するかによって効果は変わってきます。

A. 夜間に充電して昼間に放電   24.03 - 12.48 = 11.55(円/kWh)
B. 売電の押し上げ効果      31 - 12.48 = 18.52(円/kWh)
C. 買電せずエコウィル発電を売電 31(円/kWh)

分かりやすくするために 1kWh当たりの効果を考えた場合、1年365日(閏年は考えない)で10年間使用(蓄電池の劣化もとりあえず考えない)で償却するとして、

A. 365日 * 10年 * 11.55円/kWh = 42,157円/kWh
B. 365日 * 10年 * 18.52円/kWh = 67,598円/kWh
C. 365日 * 10年 * 31円/kWh = 113,150円/kWh

となります。 ワーストケース(A.)で経済効果が 4.2万円、ベストケース(C.)で11.3万円ですね。 実際は冬季のエコウィルの余剰発電力を考慮したとしても B.辺りが限界ではないかと思います。

ちなみに年間のガス消費量が 1,000m3、原単位あたりの発電量は3kWh/m3なので、エコウィルの年間発電能力は 3,000kWhとなります。 実際には1,400kWh程度しか使いきれていません。
熱に変換させられている 1,600kWhを充電にまわせるならば、1日あたり4.38kWhを充電できることになります。 結構な量ですね。


ここで例えば ONEエネルギーのレンタル蓄電池の場合は月額 5,292円(税込)なので、 10年間(消費税率アップは考えない)だと 635,040円です。 蓄電池の容量が5.53kWhなので、容量単価は

635,040円 / 5.53kWh = 114,835円/kWh

となり、ベストケースでも元が取れないということになります。

定置用リチウムイオン蓄電池のメーカー一覧と価格比較表l蓄電池総合情報

昨年度のリチウムイオン蓄電池補助金事業と比べると基準価格(A値)の評価は20%~30%程度下がっています※。具体的には、実質負担額で比較して昨年は15~20万円/kWhでしたが、今年度は10~15万円/kWhにまで下がっています。

このページを見ても、2015年時点ではまだ10万円/kWh以上するものばかりです。
7万円/kWhを切ったら導入を考えたいと思います。