中部電力、INPEX系都市ガス9社に電力を卸売り

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電力供給サービス:東京電力管内に攻め込む中部電力、首都圏ガス9社に電力を卸売り - スマートジャパン

電力・ガスの小売り全面自由化に向けて、エネルギー各社では利用者の多様化するニーズに対応するため、さまざまな取り組みを進めている。こうした中、中部電力と国際石油開発帝石(INPEX)は「電力卸販売の共同実施に向けた基本合意書」を2015年7月に締結。INPEXが天然ガスを供給している都市ガス事業者を対象に、電力卸販売の共同提案を進めてきた。
 
今回この提案に賛同した首都圏の都市ガス事業者9社との間で電力卸販売に関する業務提携に合意し、都市ガス事業者の約30万件の顧客に電力を提供することが可能となった(図1)。中部電力は30万件のうち、2016年度は2万件の新規顧客の獲得を目指すとしている。

しまった、この記事を見逃してました。

ベタ記事扱いですが、我が家には非常に大きな影響があるのです。

基本合意書は中部電力と同社子会社のダイヤモンドパワー(DPC)およびINPEXが、都市ガス事業者へ電力を卸販売し、同事業者が電力小売り事業を実施する際の役割を取り決めたもの。具体的には中部電力とDPCが電源調達、需給監視業務などを行い、INPEXは都市ガス事業者のニーズに対応する調整窓口、顧客管理システムのサポートなどを担当する。都市ガス事業者は小売電気事業者登録したうえで、順次顧客に電力を販売していくという仕組みだ(図2)。
 
今回、合意したのは足利ガス(供給区域=栃木県足利市、顧客数約1万7000件)、伊勢崎ガス(群馬県伊勢崎市、約1万1000件)、入間ガス(埼玉県入間市、飯能市および狭山市の一部、約1万8000件)、青梅ガス(東京都青梅市、約2万1000件)、桐生ガス(群馬県桐生市、みどり市および太田市の一部、約2万6000件)、埼玉ガス(埼玉県深谷市の一部、約7000件)、佐野ガス(栃木県佐野市、約9000件)、日高都市ガス(埼玉県日高市の一部、約7000件)、武州ガス(埼玉県川越市、所沢市、狭山市、ふじみ野市、鶴ヶ島市、日高市、飯能市、川島町、吉見町、小川町および毛呂山町、約20万6000件)の9事業者。

INPEXパイプライン周辺の中小都市ガス事業者を、ガサッと中電が持っていくとは思いませんでした。 INPEXの出自は国策会社ですから、中立的立場だと勝手に思っていました。 想定外です。

来年の都市ガス自由化に向けて、この9社で大同合併するのでしょうかね? そもそも武州ガスは昨年11月に東京ガスと提携すると発表してたんじゃなかったっけ? 

東京ガス:電力販売自由化に向けさらに10社と業務提携 - 毎日新聞

東京ガスは4日、厚木ガス(神奈川県厚木市)など中堅都市ガス10社と業務提携をすると発表した。4月からの家庭向け電力販売で、東京ガスの供給区域の外で契約を増やす。既に武州ガス(埼玉県川越市)など5社との提携を決めており、提携先が計15社に拡大する。
 
提携するのは厚木ガスのほか、小田原ガス(神奈川県小田原市)、渋川ガス(群馬県渋川市)、松栄ガス(埼玉県東松山市)、総武ガス(千葉県旭市)、東京ガス山梨(甲府市)、栃木ガス(栃木市)、野田ガス(千葉県野田市)、秦野ガス(神奈川県秦野市)、鷲宮ガス(埼玉県久喜市)。電気とガスのセット割引を検討する。
 
10社の契約件数は計約18万5000件。このほかLPガス27社とも提携する。都市ガスとLPガスを合わせた提携会社は計42社となり、契約件数は約86万件に広がる。

武州ガスとしては「電力小売りに関しては全方位外交」という感じなんでしょうか?

電力供給サービス:東電包囲網を築く東京ガス、37社と新たに提携しガス連合を形成 - スマートジャパン

東京ガスの電力販売で強みとなるのは、電気とガスのセット販売であるが、一方で東京電力と比べた場合、カバーエリアと最終顧客世帯数で大きな開きがあることが弱点となる。
 
例えば、東京電力の契約口数は2014年度末で約2923万口であるが東京ガスは2014年度末の都市ガスの顧客件数(見込み)は約1094万件(ガスメーター取り付け件数)である。またエリアについても東京電力が、栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県の富士川以東の全域であるのに対し、東京ガスの都市ガス提供エリアは、東京、神奈川の約半分と、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬の主要都市周辺に限られている(図3)。

でもガスメーターも電力量計も、自由化されれば自社が設置したものかは関係ないからね(スマートメーターなら検針に行く必要もないし)。
でも中小ガス会社を東電など新規ガス事業参入社に盗られると、東京ガスの本丸が危うくなる可能性が出てくるね。 今後も国盗り合戦は激しさを増すでしょう。

話は戻ってINPEX陣営と、中電と火力発電で提携している東京電力ニチガス連合との関係はどうなんでしょうね?

電気料金の新プラン検証シリーズ(17):激戦の首都圏に挑む中部電力、決め打ち料金プランと提携戦略で10万件獲得へ - スマートジャパン

さらにこの9社に中部電力と直接提携する角英ガス大東ガスの2社が加わり、合計11社、40万件の顧客に対してカテエネプランを提案できる体制を構築した。都市ガス各社は、首都圏で家庭に直接アプローチできる販売網を持っているという点が提携の大きなメリットの1つだ。中部電力の首都圏における2016年度の顧客獲得目標は10万件だが、首都圏は小売全面自由化における最大の激戦エリア。まずは提携先の都市ガス各社が抱える顧客をどこまでしっかりと確保できるかが鍵となりそうだ(図4)。

関東甲信越の都市ガス市場が、第三勢力の台頭で三つ巴の戦いになるのか、興味深いですね。