南紀ツーリング(二日目・後編)

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白浜から潮岬までは約60km。 途中のすさみ南I.C.までとはいえ、紀勢自動車道が無料供用されていることもあり、R42の交通量は以前よりも少なくなっている。

そのすさみ南I.C.の近くには、世界的にも珍しい「すさみ町立エビとカニの水族館」がある。 今回は時間がなくて立ち寄れなかったが、次回は訪れてみたい。

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15:07 潮岬西入口交差点を右折して県道41号線へ。 あそこに見えるのは潮岬灯台かな。
潮岬は「岬」と言っているが、陸繋島といって実は島だ。 江ノ島みたいなものだね。

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15:16 潮岬望楼の芝キャンプ場に到着。 入り口が目立たなくて通り過ぎそうになる。

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このキャンプ場も長年泊まってみたいと思っていたのだが、実はあまりよく調べずに来てしまっていた。
無料キャンプ場だと思っていたのだが、この広い芝生は有料期間(4/28~5/5、7/28~8/17)しか開放されないらしい。

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じゃあ無料期間はどうするのかというと、立木と道路の間に挟まれた三角形の狭いエリアが「デイキャンプ場」となっており設営可能らしい。 デイキャンプなのに宿泊していいのか?という疑問はあるが、今はそれを追求するよりもテントを建てるのが先決だ。

三角形の奥の方(道路寄り)にバイク乗りのグループが固まりになっていたので、距離を取るために駐車場寄りの場所に設営する。

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15:41 買い出しに出発するが、その前に行きたいところがある。
15:47 県道41号線を反時計回りに走っていくと、堤防みたいなのが見えてきた。

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それは堤防ではなく、紀伊大島へと渡るための道路(くしもと大橋)だ。
潮岬と紀伊大島の間にある苗我島でループを巻いて、アーチ橋で紀伊大島へと至るのだが、なぜ両方とも橋にしなかったのか不思議だ。

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15:57 紀伊大島の東の端まで行くと駐車場で行き止まりになる。 ここに目的の施設がある。

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来たかったのはトルコ記念館。 トルコブルーのタイルがとても綺麗だ。 17時閉館なので間に合ってよかった。
入館料は500円だが、JAF会員証提示で1割引きとなった。

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ここ紀伊大島は「エルトゥールル号遭難事件」の舞台となった場所だ。

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係員に確認したが、館内は撮影自由とのこと。 エルトゥールル号が日本へ来ることになった理由から始まり、事件の詳細がていねいに説明されている。

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この窓から遭難現場が見えるらしい。

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見えている以外にも海面下に岩礁が潜んでいるのだろうな。

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トルコ記念館を出て公園内を先へ進む。 トルコアイスを売ってる店もあるが、あまり好きではないんだよね。

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トルコ軍艦遭難慰霊碑。 献花台はあるが賽銭箱はない。 しばし黙祷する。

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ここを訪問したもう一つの目的が見えてきた。

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それは灯台...ではなく左側の銅像だ。

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ムスタファ・ケマル・アタテュルクはトルコ共和国初代大統領で建国の父と呼ばれている。

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かつて新潟に柏崎トルコ文化村という施設があった。 15年前に友人Hと訪れたことがあるが、お金の掛かった立派な施設だった。
中越地震などの影響で2005年に閉鎖されてしまった。

この銅像はその柏崎トルコ文化村にあったのだが、施設の廃業で放置されているということで、一時はちょっとした国際問題になりかけた。 その後、像を譲り受けたトルコ大使館がトルコにゆかりが深い串本町に寄贈したことで、こちらに移設されることになったのだ。
自分も柏崎でこの像を目にしたので、15年ぶりの対面というわけだ。

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樫野埼灯台の方も見ておこう。 

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ここは官舎がちゃんと残っている。

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樫野埼灯台 - Wikipedia

樫野崎灯台は「日本の灯台の父」と呼ばれるリチャード・ヘンリー・ブラントンが日本で最初に設計し、1870年7月8日(明治3年6月10日)に初点灯した日本最初の石造灯台である。樫野崎灯台は日本最初の回転式閃光灯台でもあり、その初期の建物が現存している。

これだけ由緒正しい灯台なのに、なぜ「日本の灯台50選」に選ばれなかったのか不思議だ。

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おそらく近い距離にある潮岬灯台と被ってしまったのだと思うが、勝とも劣らない立派な灯台だと思う。
内部には入れないので参観灯台ではないが、外階段で灯台に登ることができる。
16:33 出発する。

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16:50 「サンゴの湯」に到着。 ここは温泉銭湯という趣だが、キレイだし低価格(410円)なのも魅力。 自分と入れ替わりにバイクが5,6台出てきたが、おそらくキャンプしている人たちだと思われる。

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17:15 Aコープ紀南 VASEOに到着。 なんだか絵がラッセンっぽいね。
「サンゴの湯」の近くにオークワ串本店があるのだが、同じ系列だと品揃えも同じになりがちなので、今日は変えてみた。

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だが野菜の品揃えが少なく、やはりオークワへ行くべきだったようだ。
今夜のキャンプ場はゴミが捨てられないので躊躇したが、やっぱりここまで来て魚を食べない訳にもいかないな。

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17:45 キャンプ場に帰還するとテントの数が増えていた。 19時過ぎてもまだ来る人がいた。

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結局、カツオの刺身と秋刀魚寿司を購入。 那智勝浦もカツオの水揚げで有名だからね。 秋刀魚寿司もまた美味しかった。 たった400円でこれなら大満足。

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昨日は牛肉だったので今日は豚肉。 「メガ盛り」と大げさなラベルが貼ってあるが実際は300g程。

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昨日買ってあったが食べなかったざるそば用のそばを湯がいて食べる。 「味まるじゅう」で味付けしたが、やっぱりこういうときはめんつゆが欲しいな。

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累計走行距離は832km。 今日は比較的ラクな道のりだったが、明日はハードなツーリングになりそうだ。

晩飯を食い終わった頃にはすっかり暗くなっていた。 芝生広場の先に煌々と明かりが灯った施設があったので、フラフラと歩いていってみた。
ヘッドランプの光を頼りに広場を突っ切っていくと、暗闇のなかに人影が。 何をやっているのかと思ったら三脚にカメラを載せていた。 ああ、星空の写真を撮っているのね。 こりゃ失礼。
確かに見上げると「満天の星空」という陳腐な表現を使いたくなるほど無数の星が瞬いていた。 目が悪い自分でもこれだけ見えるのだから、大したものだね。

明かりが点いていた建物は休憩所だったが9時から17時までしか開いてないようだ。 裏に「本州最南端」の石碑があったので、明日の朝にまた来よう。 


本日の走行距離 234.4km
Google Earth用KMZファイル(下北山~潮岬) → 20170722.kmz