昨日は長い距離を走ったし、酒も多めに飲んだので、スッキリとした目覚めという訳にはいかなかった。
何度か目が覚めたのだが、起き上がる気力が湧かない。 これまでの疲れがドッと出てきたのかもしれない。

08:35 にメールが着信した。 友人Hからだった。

「朝市で実家にとうもろこしを送った。五稜郭に行ってみようと思う。ところでフェリーの予約はした?」

そうだ。 フェリーの帰りの便を予約しなくては。
函館のチケット売り場に電話するが、13:50発の便は既に満車。 19:15発しかないという。 仕方なく2名分の予約を入れる。
一昨日、8/16の函館泊が確定した時点で予約を入れておけば、と思ったが後の祭り。 行き当たりばったりの旅だからこうなるのだ。


丸一日足止めになってしまったが、気持ちを切り替えて函館観光にでも繰り出そう。 
09:10 昨夜の焼きおにぎりを食いながら Hにフェリーの予約番号をメールし、「晩飯を食べてから18:30にフェリー乗り場で落ち合おう」と提案する。

チェックアウト時間も迫っているので、急いで支度をして部屋を出る。 フロントで近くにコインランドリーはないかと尋ねたら、案内図を書いた紙を渡してくれた。

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外に出てみると雨。 駐車場にはHのバイクが置いてある。 雨だし市電に乗りたいと言ってたので、置いて行ったのかな?
傘が無いので、函館駅前のコンビニまで買いに行く。

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投宿した函館プラザホテル。 安さと便利が良いのが取り柄。 昨夜も駐車場は満車だったし、バイクも10台くらい停まっていた。

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フロントに教えてもらった、昔ながらのコインランドリー「ライラック」。

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洗剤(1個30円)を買わなければならないが、自販機は十円玉しか使えない。 2個使えと書いてあるのだが、十円玉が5枚しかないので1個で我慢する。 洗濯機は400円。 これまた百円玉のみ。
自分の後に入ってきたおっちゃんも十円玉がなくて困っていたので、20円あげた。 こういう「ふれあい」もまあ悪くはない。

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洗濯機が動き出したはいいが、何分経てば終わるのかが分からない。 とりあえず朝市に行ってみることにした。
朝市をやってる場所を知らないのだが、駅の方へ歩いていけば分かるだろう。


若松町のR278まで歩いてきて、横断歩道を待っていたら、ソロツーらしきアメリカンが赤信号で握りゴケする瞬間を目撃してしまった。 市電のレールには掛かってなかったので、単にボーッとしてて信号を見落として、慌ててブレーキを掛けたのだろうと思う。

こういうときライダーは恥ずかしいからすぐに飛び起きるのだが、いくらセルを回してもエンジンが掛からない。
30秒くらいやってたけどダメで、信号が変わりそうになって路肩へ移動した。 そこでも延々とセルを回し続けていたので、落ち着けと歩み寄ろうとした瞬間にエンジンが掛かった。

たまにキルスイッチがオフになっているのに、「掛からない!」と焦る奴(昔の自分のこと)がいるのだ。
幸い、右ミラーが変な方向を向いただけで、ハンドルが曲がったりということはないようだった。 気をつけなよ。

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そんなハプニングがありつつ駅前へ歩いて行くと、標識に朝市との表示があった。

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一番手前に並んでいるのが海鮮丼のお店。

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青果市場でとうもろこしを物色。 だいたい1本200円くらい。 美味しいのだろうが、あまり安くはない。
道路に面したところに陣取ったおばちゃんが、1本100円で出していた。 まけてくれたので、1箱25本を自宅に送ってもらった。
他にも、がごめ昆布を購入。

そうこうしているともう40分。 コインランドリーまで戻ると、例のおっちゃんが洗濯を終えて出てくるところだった。 乾燥機の時間も考えると、洗濯機が回っているのは30分くらいか?
乾燥機は10分100円。 ドライ系Tシャツは10分でOKだったが、綿素材のGパンや下着類は20分必要だった。


洗濯物を持ってホテルの駐車場に戻ると、まだHのバイクは置いてあった。
ここでようやく「押しがけのことがあるからバイクを置いて行ったのかな?」と思い当たる。 待ち合わせ場所はホテルの方が良かったかなとも思ったが、あれ以来メールの返事がないので大丈夫なんだろうと勝手に納得する。

クーラーバッグに洗濯物を詰めて身軽にし、再び朝市の方へ。
せっかく函館に来たのだから、海鮮丼の一つも食べてみようかと思ったのだが、どの店も同じような感じで今ひとつそそられない。 そのうち食べたような気になってしまい、朝市をあとにした。

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ハラも減ったし、さてどうしようか? さっきバイクがコケたところにKFCがあったなと引き返すと、WAKOの1Fにドトールを発見! そうだよ、今日はまだコーヒーを飲んでないし。

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ミラノサンドB(エビ・ツナ・タマゴのニース風サラダ)とブレンドL。 やっぱり海鮮だね。

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ドトールの裏に、観光案内が置いてあった。 これを見ながら時間をつぶす。 こんなゆったりした時間はいつぶりかしらん?

るるぶFREE 夏』を見ていると、函館にも赤レンガ倉庫というのがあるらしい。
横浜みたいな感じかな? 雨もほとんど上がったし、バイクで行ってみることにした。 13:08 ホテルを出発。 Hのバイクはまだあった。

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函館の町は一方通行が多い。 バイクに乗って駐車できそうな場所を探していた。 左折しようとしたら一通だったので、入り口でUターンしたら、後ろにミニパトが来ていた。 そのミニパトは違法駐車の取締をしに来ていたようだった。

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13:27 駐輪場が見つからなかったので、赤レンガ倉庫からちょっと離れた路肩に停める。

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観光客は多く、通りはクルマの列が続いている。 波止場からクルーズに出ることもできるようだ。

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ベイエリアらしく、オシャレな感じがいいね。

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とはいえ、やはり一番の見所は赤レンガ倉庫の趣だろう。

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まだ現役の倉庫として利用されている区画もある。

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函館山がすぐそこに。 次に来るときは、ロープウェーに乗って夜景を観てみたいものだ。
時刻はまだ14時。 まだフェリー発着場へ行くまで4時間もある。 どうしようかと考えた結果、湯の川温泉に入りに行こうと考えた。 14:11 出発。

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携帯で調べたが、湯の川温泉には立ち寄り湯はあまりない。 大盛湯というのがあったので行ってみたが、水曜日が定休日だった(帰ってきて調べると、日乃出湯とか根崎湯とか長生湯とか、温泉銭湯は結構あったらしい)。 ホテルか旅館で立ち寄り湯を利用できるところを探す。
悩んだ結果、湯元 啄木亭に行ってみることにした。

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14:54 正面玄関から入り、ロビー左手に日帰り湯の受付カウンターがあるので、料金を支払いスリッパに履き替えて、エレベーターで11Fへ。

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明るく広々とした浴場。 源泉かけ流しだという。

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露天風呂のお湯はちょっと温め。 少し肌寒い気温と相まって、いつまでも入っていられる。
16:30まで時間を使わなければならないので、頑張って長湯する。 これが後で後悔する一因となるのだが...

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露天風呂からは、函館空港がよく見える。 ときどき背後から「ゴー」という音がしたかと思うと、着陸態勢に入った旅客機が降下していく。

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16:37 にホテルを出て、17時に湯の川温泉に来る手前に見つけた回転寿司へ。 ここまでは予定通りだった。
17:10 友人Hからは何も連絡がないので、「湯の川温泉に入ったあと、回転寿司を喰っている。18時には発着場に行く」とメールする。

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17:23 ようやく Hからメールが来る。 向こうも晩飯は回転寿司だったらしい。 これからホテルにバイクを取りに行くとのこと。 「エンジン始動するか心配だな」と書いてあった。


予定より10分遅れたが、17:40 に走りだす。 途中で海の写真を撮ったりしつつ、17:54 頃に松風町へ。 昨夜、「函館山」へ行った時に、Hが「あそこにドラッグストアがあるよ」と教えてくれたので、虫刺されの薬を買おうと思ったのだ。

しかしどこだったか見つからず、時間もないのでそのままフェリー発着場へ行くことになった。 信号待ちで左手を見上げると、函館プラザホテルが見えた。

フェリーに乗る前に、ガソリンが安い函館で給油していこうと考えた。 R228に入ると左手にいくつかセルフがあったはずだ。
時刻は18:05。 あまり時間はない。 どこでもいいからすぐに入れば良かったのだが、選り好みをしているうちにフェリー発着場を通り過ぎてしまった。

引き返してきた頃には、既に 18:14になっていた。 「18時に行く」とメールしてあったので、Hはもう発着場で待っているかもしれない。
「ガソリンは大間で入れればいいや」と、給油せずに発着場へと向かった。

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函館の発着場は大きい。 発着場の前まで来て、「どこにバイクを置けばいいんだろう」と考えていたら、18:15に携帯が鳴った。 Hだろう。 もしかして1時間前に窓口に行かなかったから、キャンセルになっちゃうとか?

とりあえず乗船待ちの駐車場付近にバイクを起き、ターミナルへ走りながらHに電話する。 しかしHは出ない。

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窓口で乗船手続きをすると、「既に乗船手続きは始まっていますので、3番乗船口へ向かってください」とのこと。 Hは既に乗船しているのか?

走ってバイクのところに戻り、函館に上陸したときのゲートに行くと、「ばあゆ」が停泊していた。 しかし、誰もいない。 自分が一番乗りだった。
その後、続々とバイクが集まってくるが、Hのバイクは来ない。 そうこうしているうちに、ついに船内への誘導が始まってしまった。

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きっとエンジン始動に手こずっているのだろう。 しかしフェリーに乗らない訳にもいかない。
2等船室で待つが、出港までもう時間がない。

18:54 携帯が鳴った。 「いまどこに居る?」


ここから先は、Hからの聞き書き。

17:23 のメールのあと、ホテルの駐車場からバイクを出したが、案の定エンジンが掛からない。 エンジンが冷えていると掛かりが悪いのだ。
駐車場から道路へは若干スロープになっているのだが、いかんせん長さが足りない。 10数回押しがけを試みたが、とうとうバイクを倒してスクリーンを割ってしまった。

「ここではダメだ」と諦めて、岸壁の方へバイクを押していったらしい。 しかし、押しがけに利用できるような坂道がない(この辺りで電話をくれたようだ)。
キャンプ道具を全て下ろし、走りながら飛び乗る方法でエンジンを掛けようとしたのだが、何度もやっているうちにまたもやバイクを倒してしまった。

そこにバイクの一団が通りかかり、後ろから押してくれてようやくエンジン始動。 しかし、転倒のショックでギヤが2速までしか上がらない。 その状態で5km走ってフェリー発着場まで走ってきたらしい。 電話してきたのは、乗船後デッキまで上がってきてからだった。
 
押し掛けと乗船手続きのダッシュで、Hが2等船室に現れたときは「1,500m走を本気で走ったあと」のような、息も絶え絶えの状態だった。


Hの話を聞きながら、苦い想いで胸がいっぱいになった。

「プラザホテルの側を通ったときに、なぜ様子を確認に立ち寄らなかったのか?」
「それより、なぜ集合場所をフェリー発着場からホテルに変更しなかったのか?」

確かに山の中じゃないので、(例えばホテルのフロントマンなど)第三者に手助けを頼むことはできただろう。 自分でなければ押し掛けが出来ないわけではない。

でも心の底で、「朝メールしてから夕方まで音沙汰なし。 エンジン始動に不安があるなら、Hの方から集合場所の変更を申し出るだろう。 そうするべきだ」という気持ちがあったのも事実だった。

合流してから何度も押し掛けしているが、いつもHはまずは自分一人でやろうとしてきた。 傾斜がゆるかったり助走が取れなかったりで、結局手伝うこともあったが、やはり遠慮があったのだと思う。
そう考えれば、自分の方から「ホテルの駐車場で落ちあって、一緒に行こう」というべきだったのだ。


青森に近づくにつれて、雨が強くなってきた。 大間着は20:55。 当初の予定では薬研へ行く予定だが、問題はHのバイクが走れるかだ。 もし2速までしか使えないなら、東京に帰るどころか数十kmの走行すら難しい。

『ツーリングマップル』によると、大間崎のかもめ食堂となりにテントが張れるサイトがあるらしい。 今夜はそこに泊まって、翌日どうするか考えようと提案した。 Hも小一時間横になって落ち着いたようで、「ダメなら津軽海峡に捨てて帰る」と軽口を叩けるようになった。


「ばあゆ」は定刻通り大間に到着。 船倉に降りて合羽を着こむ。 下船の順番は、四輪、バイクの順。 21:02 大間に上陸。 Hは最後にバイクを押して出てきた。

近づいていくと、ギヤが変速できるようになったという。 シフトリンケージが、転倒のショックで内側に曲がって干渉していたようで、それを直したら6速まで変速できるようになったらしい。


ホッとしたのもつかの間、本当に大変だったのはここからだった。

何度押し掛けしてもエンジンが掛からない。 雨でタイヤが滑ってしまうのだ。 発着場のわずかな傾斜を見つけてはトライするのだが、いっこうに掛かってくれない。 合羽の内側は蒸れて、温泉効果はとっくに消えてしまった。

雨量はそれほどでもないが、津軽海峡の潮風に乗ってまとわりつくように吹きつける。 営業終了でだんだんクルマも少なくなってくる。
暗い発着場で、ギヤを変えながらダッシュを繰り返す。 しまいには、どの方向が傾斜が強いかで、カッとなって投げやりな言葉を吐いてしまった。
自分の狭量さに自己嫌悪に陥りそうになるが、こういう時でもHの平静な態度に救われる。

「ちょっとガス臭いね」 「プラグ、カブったかな?」 「今度はあっちに行ってみよう」
19分間の格闘ののち、あっけなくエンジンは掛かった。 21:21 ようやく発着場を出発する。


とりあえず大間崎の方へ行ってみたのだが、風雨が強くてこんな中でテントを張るなんて考えられない。 明朝の撤収時も同じなら最悪だ。 そこで、初めの予定通りに薬研へ向かうことにした。

しかし津軽海峡沿いのR279は、街灯もほとんどなく真っ暗だ。 路面のペイントもあまり反射しないし、ガードレールの反射材も少ない。
そのくせ対向車は結構多くて、ハイビームやフォグランプを煌々と点けて走ってくるので、すれ違うときは前が全く見えなくなる。 ペースメーカーにと思ったクルマには道を譲られるし、散々だった。


夢中で33kmを走り、22:06 大畑に到着。 ここから県道4号を8kmほど行けば、国設薬研野営場がある。

しかし雨はいまだに降り続いている。 いまからテント張っても、明朝にはまた撤収しなければならない。 いくら良いキャンプ場であっても、それでは意味がないだろう。

県道4号をしばらく進んだものの、途中で停まってHと話し合う。 そこで「出来る限り雨が弱くなったまで南下しよう」ということになった。 R279に戻り、しばらく行くと坂の途中にコンビニがあったので立ち寄る。 押し掛けで低下した体力をリポDで補う。


そろそろガソリンの残量が気になるが、むつ市に行けば入れられるだろう。 そう思っていたのだが、セルフどころか普通のGSもみな閉まっていた。

R4に入る野辺地まで行けばあるかもしれないが、そこまでは持たないだろう。 案の定、23:15 行きに立ち寄ったローソンの手前でガス欠となった。 携行缶からガソリンを補給する。 ここから野辺地までは30km切る。 大丈夫だろう。

しかし23: 58 に野辺地に着いても、GSはなかった。 ツーリングマップルで確認すると、少し下って県道242との交差点付近にEssoがあるようだ。 そこまで行ってみよう。


日付は変わって 00:17。 頼みのGSは閉店していた。 これ以上進むのは諦め、近くでキャンプするしかない。

HがGSの隣の閉鎖された中古車センターなら、屋根があるし下はアスファルトだし、いいんじゃないかと言う。 しかし閉鎖されているとはいえ、勝手に敷地に入るのは抵抗があった。 それに自分のテント(モンベル・ムーンライト3)は、ペグが打てないと極端に風に弱くなってしまうのだ。

ツーリングマップルによると、R4沿いに7kmほど行ったところに天間林中央公園というのがあって、そこでキャンプが出来るようだった。
00:32 向かいのコンビニで酒やつまみを購入し、その中央公園に行ってみた。

しかしそこはバンガローによる宿泊だけで、普通のテントサイトはないようだった。
敷地は広大で芝生もあるので、勝手にテントを建てようかとも思ったが、朝になって管理人とトラブルになるのも困る。

仕方なく、みちのく有料道路入口近くの七戸町森林公園へ向かうことにした。
ところが走り始めてすぐに、ガス欠してしまった。 Hのバイクからガソリンを分けてもらう。 時刻は 01:21 になっていた。

みちのく有料道路への道は真っ暗で薄気味が悪い。 さらにキャンプ場への道を進むと路面は砂利となり、水たまりだらけ。 どうみてもこれは採石場だ。 これを突っ切ったところにキャンプ場があるのか? あっても路面が砂利では押し掛けができない...

事ここに至っては致し方ない。 例の駐車場でビバーグしよう。
コンビニのある交差点に戻り、元中古車センターに着いたのは 01:40 。 道路に面した柵は50cmくらいしかなく、容易に入ることができた。

おのおのテントを設営し、各自缶ビールを開けておやすみを言い合う。 大変な一日となったが、それでも無事にテントを張れたのは幸運だった。
ビールを飲みながら嫁にメールを打っていたら、02:54になっていた。


本日の走行距離 212km (フェリー航路含む)
Google Earth用KMZファイル(函館~七戸) → 20110817.kmz

7日目に続く。