NEC、高電圧でガスが発生しにくい電極材料と電解液を開発

EV走行距離3割長く NEC、充電1回260キロ  :日本経済新聞

NECは電気自動車(EV)やハイブリッド車に使うリチウムイオン電池の蓄電容量を、従来より3割以上高める新技術を開発した。現在、市販されているEVが1回の充電で走れる距離は200キロメートル程度。この電池を使えば東京―長野市にほぼ相当する約260キロメートルへ3割延ばせる。2年以内の実用化を目指す。(中略)
 
NECは高電圧でもガスが発生しにくい新たな電極材料と、電解液の開発に成功した。コバルトなどの希少材料を電極に使わなくても蓄電容量を増やせる。このため、寿命や製造コストは日産自動車のEV「リーフ」に搭載している電池とほぼ同等のまま、走行距離を3割延ばすことが可能という。

このところ各社から新しいEVが発表されて、性能が見劣りがするようになったリーフですが、この技術が導入されれば航続距離で一躍日本のトップに躍り出ることになりますね。

でも「2年以内の実用化」ということなので、期待されたリーフの大幅MMCはまだ先になるのでしょう。

NEC、5V系正極を用いたLiイオン2次電池を開発、Ni-Mn系でエネルギー密度を30%向上 - クルマ - Tech-On!

開発した正極材料は、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn2O4)の一部をNiに置換したLi(Ni0.5Mn1.5)O4で、Niの価数変化を利用することで、高電圧化が可能である。開発した正極材料と黒鉛を組み合わせた場合の平均動作電圧は4.5Vで、LiMn2O4に比べて0.7Vほど電圧を高められる。その結果、セルのエネルギー密度を従来の約150Wh/kgから200Wh/kg以上と約30%向上させることができるとしている。
 
ただし、開発した正極材料に従来のカーボネート(PC)系の電解液を組み合わせると、電圧が高すぎて電解液の酸化分解が起きる。このため、NECは新たにフッ素化溶媒を開発した。これにより、正極材料と電解液の界面で発生する酸化分解を抑制し、20℃の温度下で500回の充放電サイクル試験後においても初期容量の約80%を維持できるという。さらに、45℃の高温下でも同試験後に約60%の容量維持率を確保した。これは、従来のLiイオン2次電池と同等の寿命特性を実現したとしている。セルの膨れについても、セル内部のガス発生を抑制できるため、45℃の高温サイクル試験後の電池の膨れ率を従来の2倍以上から約10%に低減したという。

ニッケルを使うのはコストアップ要因ですね。 kWh当りのコストでは安くなるのかな?