RaspyFiを試す(音質評価編)

RaspyFiに限らず、Linux+mpdによる音楽プレーヤーはいくつもあります。
代表的なのは Voyage MPDVortexBoxVoyage MuBoxMPD on Cubox、など。

H/Wアーキテクチャ(IA or ARM)やフォームファクターは違いますが、考え方としては共通です。
音楽再生に必要な機能以外をそぎ落としたOSにmpdを組み合わせることで、最良の音質で音楽再生することを狙っています。

iTunesとfoobar2000AIMP3で比べたことがありましたが、プレーヤーソフトによって音が変わるのは確かにありました。
USB-DACに送るデータが同じなら、出てくる音も同じじゃないかと思うんですが、実際には違うんですよね。

この1年くらいAIMP3を常用していて、音質的にもじゅうぶん満足しているのですが、RaspyFIはそれを超える音質なんでしょうかね?
簡単に聴き比べてみました。 再生環境は

USB-DAC: DAC7 by Weiliang (LPF:TLE2072ACP、IV:LME49990
アンプ: S.M.S.L. SA-80
スピーカー: Paionner S-77twinSD

RaspyFiはnasneから、AIMP3(PCのスペック)はFreeBSDのファイルサーバーから音源データを読み込みます。 PCからDACへの出力はASIOを使っています。
音源は60年代~80年代の洋楽ロックです。 ふだん自分がよく聴いて、馴染みがある音楽を聴いてみました。


最初にRaspyFiから聴いてみました。 最初に聴いた時から感じているのは、音色の色付けがあまり感じられないことです。
解像度が高くて、注意を向ければ細かい音まで聴こえるように思います。
エネルギーバランスもどこかの帯域だけが盛り上がっているということもなく、フラットな印象です。 相対的にボーカル帯域が薄く感じられるのは、アンプ(SA-80)のクセかもしれません。

続いてAIMP3。 音に凝縮感があってエネルギッシュなところが好きです。
ただRaspyFiの後に聴くと、細かい音が団子になって聴こえなくなっている部分も感じられます。
ただ曲の雰囲気の出し方が上手いというか、聴くのが楽しくてずっと聴いていたいと思わされます。 SA-80のクセも気になりません。

オーディオは、コンポーネントの組み合わせで成り立っているので、一つのコンポだけを取り上げて云々しても意味はありません。
でもRaspyFi(というか Linux+mpd)の持つポテンシャルの大きさは感じることが出来ました。 音質に関しては、RaspyFiの勝ちだと感じました。

プレーヤーに音の個性があった方がいいのかは賛否あると思います。 個人的には手軽に替えることができる部分なので、楽しみ方はいろいろとあった方が幅が広がっていいと思います。

raspyfi_tweaks.jpg

そういう意味で、RaspyFiの「Sound quality tweaks」は面白い試みだと思いますし、もっといろいろ弄れる余地があるといいなと思います。

で、RaspyFiの今後ですが、メインのオーディオではなく寝室のオーディオで活躍してもらおうと思います。 もちろん目覚ましラジオとして使える目処が立ったからです。

IMG_20131026_203713.jpg

まだ撤去していませんが、もうミニコンポはスピーカー(LS-K711)につながっていません。

IMG_20131026_203745.jpg

Raspberry Piはオーディオタイマーの裏に置いてあります。 USB DACは『DigiFi』付属のアンプ付きの奴です(まだ持ってました)。

[ 3.152241] usb 1-1.3: new full-speed USB device number 4 using dwc_otg
[ 3.277616] usb 1-1.3: New USB device found, idVendor=08bb, idProduct=2704
[ 3.294865] usb 1-1.3: New USB device strings: Mfr=1, Product=2, SerialNumber=0
[ 3.312202] usb 1-1.3: Product: USB Audio DAC
[ 3.319070] usb 1-1.3: Manufacturer: Burr-Brown from TI
[ 3.337351] input: Burr-Brown from TI USB Audio DAC as /devices/platform/bcm2708_usb/usb1/1-1/1-1.3/1-1.3:1.2/input/input0
[ 3.359878] hid-generic 0003:08BB:2704.0001: input,hidraw0: USB HID v1.00 Device [Burr-Brown from TI USB Audio DAC ] on usb-bcm2708_usb-1.3/input2

アンプで音量調節が出来ないので、mpdのミキサーを有効にしています。 これでRaspyFiの画面でボリューム操作が効くようになりましたが、毎朝鳴らすラジオの音量は常に同じにしてもらわなければ困ります。
そこでcrontabを少し変更しました。

root@Raspyfi:~# vi /etc/crontab
(略)
root@Raspyfi:~# cat /etc/crontab
# /etc/crontab: system-wide crontab
# Unlike any other crontab you don't have to run the `crontab'
# command to install the new version when you edit this file
# and files in /etc/cron.d. These files also have username fields,
# that none of the other crontabs do.

SHELL=/bin/sh
PATH=/usr/local/sbin:/usr/local/bin:/sbin:/bin:/usr/sbin:/usr/bin

# m h dom mon dow user command
17 * * * * root cd / && run-parts --report /etc/cron.hourly
25 6 * * * root test -x /usr/sbin/anacron || ( cd / && run-parts --report /etc/cron.daily )
47 6 * * 7 root test -x /usr/sbin/anacron || ( cd / && run-parts --report /etc/cron.weekly )
52 6 1 * * root test -x /usr/sbin/anacron || ( cd / && run-parts --report /etc/cron.monthly )
58 5 * * * root /usr/bin/amixer set PCM 60\% > /dev/null 2>&1
59 5 * * * root /root/play_radiko.sh NACK5 > /dev/null 2>&1
50 6 * * * root killall mplayer
#
root@Raspyfi:~#

これで、音量を60%にセットしてからNACK5を再生できます。

アンプはSA-98が余ってる(というかYS-1も含めて中華アンプが7台くらいある)ので、あとは単体のUSB DACがあればもう少し音が良くなるかな?
それでもLS-K711の良さを引き出していて、現状でもなかなかいい音です。 冬の寒い日はベッドに潜り込んで、Nexus7で遊びながら音楽を聴くことが増えそうです。